📚ブロック内の順序操作を防ぐ新メンプール設計 ✅体概要 この提案は、Ethereumのmempool(未確定トランザクションが溜まる場所)を暗号化し、ブロックに入るまで中身が見えないようにする仕組みです。 これにより、他人のトランザクション内容を先読みして順番を操作する行為や、価格操作を狙ったMEV(マイナー/バリデータが得る追加利益)を大きく減らすことを目的としています。 トランザクションは最終的には公開されますが、「実行される直前まで見えない」ことが重要なポイントです。 ✅ なぜ暗号化メンプールが必要なのか 現在のEthereumでは、mempoolに流れたトランザクションは誰でも中身を見ることができます。 そのため、フロントランニング(他人の取引より先に割り込むこと)やサンドイッチ攻撃(前後に取引を挟んで価格を不利に動かすこと)といったMEV戦略が可能になります。 これがユーザーの損失や、ブロックビルダーの中央集権化(少数の強い事業者への集中)につながっています。 暗号化することで、順番は見えても「中身が分からない」状態になり、これらの攻撃が成立しにくくなります。 ✅ 取引はどのように暗号化されるのか トランザクションは「エンベロープ」と「中身(暗号化されたペイロード)」に分かれます。 エンベロープには、ガス量や手数料、どの鍵提供者で復号するかといった最低限の情報だけが平文で入ります。 中身には、実際の送金先、金額、コントラクト呼び出しデータなどが暗号化されて入ります。 ブロックに入った後、対応する復号鍵が公開されて初めて中身が実行されます。 ✅ 鍵を配る役割「キープロバイダ」とは 暗号を解くための鍵を管理する存在がキープロバイダです。 これは単一の方式に固定されておらず、以下のようなさまざまな方式を選べる設計になっています。 ・しきい値暗号(複数人で鍵を分散管理) ・MPC(複数計算者で秘密を分ける方式) ・TEE(安全なハードウェア領域) ・時間遅延暗号 Ethereum本体は「どの暗号方式でも使える土台」だけを提供します。 ✅ ブロック内の順序と安全性 ブロックではまず通常の平文トランザクションが実行され、その後に暗号化トランザクションのエンベロープが処理され、最後に復号された中身が実行されます。 これにより、以下の安全な構造が保たれます。 ・手数料は必ず先に支払われる ・鍵が出なければ中身は実行されない 鍵が出ない場合でも封筒の処理だけで止まり、チェーン全体が止まることはありません。 ✅ MEVと検閲耐性への効果 内容が見えない状態では、ブロックビルダーは「どのトランザクションがどの価格に影響するか」を事前に計算できません。そのため、順序操作による利益獲得が難しくなり、MEVが構造的に弱まります。 また、内容が隠れていることで、特定のアドレスやDeFi操作を狙い撃ちで排除する検閲もやりにくくなり、「リアルタイムでの検閲耐性(すぐに弾かれない性質)」も向上します。


