安定性のない拡張性は幻想である。 Waymoがシンガポールに進出。2028年から商業サービス開始。 写真の車はLiDAR、レーダー、カメラが満載の典型的なマルチセンサー車両だ。 これを見て「マルチセンサーは信頼性が高いが、テスラは拡張性がある」と分ける人が多い。 私はこの二分法は誤っていると考える。 拡張性とは地図をもう少し塗り増すことではない。 同じ安全レベルを維持したまま、車両数・運行密度・運行時間を増やせるかどうかだ。 安定性が不足すれば、規制・保険・世論・リモート介入コストも同時に上昇する。 その結果、拡張は止まる。 まず数字を見てみよう。 Waymoは米国14のメトロポリタンエリアで完全無人商業運行を実施し、累計無人走行距離は2億マイルを超えた。 運行エリア内での事故発生率が人間ドライバーを下回るというデータを公開している。 だから、シンガポールのような新たな国への進出資格を得たのだ。 新しい地図を作成し、モンスーンや現地の道路を再学習するには時間がかかる。それがデメリットだ。 しかし、その時間は「行けないから」ではなく、「行って耐えるために」使われる時間である。 テスラのロボタクシーは異なる。完全無人運行はテキサス・フロリダの6都市で、同社発表によると無人走行距離は100万マイル。 7月には38万マイルから9月初旬に100万マイルへ急増した。問題は、その100万マイルがWaymoの約0.5%に過ぎない点だ。 千万マイルに一度発生するような失敗を検証するには、サンプルが小さすぎる。 「顕著なインシデントなし」は主張にすぎず、第三者が距離対比事故率で検証した数値ではない。 ボラードを認識しても通過する動画は依然として続いている。 消費者向け監視型FSDはオーストラリア・ニュージーランドで、手動運転より衝突が40%少ないというデータはある。 しかし、それはドライバーが乗っているレベル2の話だ。 ロボタクシーの拡張性を証明する根拠にはならない。 だから結論は単純だ。 マルチセンサーは高価で遅い。 しかし、限定されたエリアで既に安定性を証明しているため、都市や国を増やせる。 テスラは車両が安価で、ソフトウェアを変更するだけで済むと言う。 潜在力はある。 しかし、無人運行の安定性が大規模で証明されない限り、都市追加の発表は拡張ではなく、単なるリストである。 安価なハードウェアは拡張の必要条件である。 しかし、十分条件ではない。 まず安定性がなければならない。 安定性のない拡張性は幻想である。

