1810年、ゲーテは『色彩論』(Zur Farbenlehre)を出版した。彼はアイザック・ニュートン卿の物理学を発展させようとしたのではなく、それを解体しようとしたのだ。 ニュートンのアプローチは前向きで、客観的かつ分析的だった:彼はプリズムを使って白い光をスペクトルに分解し、色が光の構成要素であることを証明した。光がすべてであり、闇は単なる空虚、すなわちデータの欠如だった。 ゲーテはニュートンのモデルを見て、それを完全に逆転させた。彼は、ニュートンの無機質な実験が、人間が現実を実際にどのように体験しているかを見落としていると主張した。ゲーテにとって、闇は空虚な欠如ではなく、能動的で対極的な力であった。色は純粋な光の中に存在するのではなく、光と闇が衝突する戦場でしか生まれない。

