連邦裁判所は、トランプ政権がAnthropicを政府調達からブラックリストに掲載しようとした試みを却下し、同AI企業を「国家安全保障上のサプライチェーンリスク」と指定することは違法かつ報復的であると判断した。
カリフォルニア北部連邦地方裁判所のリタ・F・リン裁判官は8月27日、Anthropicの主張の一部について部分的要約判決を下し、その指定を「恣意的かつ武断的」であり、同社の第一修正条項の権利に対する侵害と評した。この59ページに及ぶ意見書は、Anthropicが数十億ドルに及ぶ可能性のある連邦契約に競争する能力を実質的に回復させた。
AI倫理の争いが国家安全保障の戦いとなった理由
この対立は、AnthropicのAIモデルに関する約2億ドルの契約交渉にさかのぼる。その交渉中、Anthropicは、その技術の特定の軍事用途を制限する倫理的使用ガイドラインの導入を主張した。トランプ大統領とペテ・ヘグセス国防長官は、軍がガードレールなしでAnthropicのAIを使用できないことを理由に、同社が国家安全保障を危険にさらしていると公に非難した。2026年2月27日、政権はAnthropicに対して正式なサプライチェーンリスク指定を発令した。
その指定は、政府の規制兵器において重大な手段である。これは、フーウェイやカスペルスキーのような、敵対的な政府のためにバックドアを構築していると疑われる外国の対立勢力に通常与えられるラベルである。実際の影響は即座かつ深刻だった。国防総省、財務省、国土安全保障省を含む連邦機関全体が、Anthropicとの取引を禁止された。同社は、このブラックリスト入りが数十億ドルの潜在的収益を脅かし、重大な評判損失をもたらしたと主張している。
Anthropicは2026年3月9日に訴訟を提起し、わずか17日後の3月26日に仮処分を獲得した。これは裁判所が当初から政府の主張に問題を認めていたことを示唆している。
裁判の論理
リン裁判官は、その指定に正当な事実的根拠が一切存在しないと判断した。行政側は、Anthropicの技術が破壊活動のリスクをもたらすという証拠、またはそのサプライチェーンが侵害されたという証拠を提示できなかった。むしろ記録は、この指定が契約交渉中にAnthropicが倫理ガイドラインを放棄することを拒否したための報復であることを示唆していた。
裁判所は、政府がAnthropicが自社製品の使用方法に関する条件を設定する権利を行使したことに報復し、その表現を国家安全保障ブラックリストで処罰することは憲法の線を越えていると結論付けた。
この決定は複数の連邦機関がブラックリストを執行することを阻止するが、ペンタゴンにAnthropicの製品を実際に購入することを強制するものではない。軍は調達決定について完全な裁量を維持している。
AIと政府調達への影響
これは、政府が真正なセキュリティ上の懸念ではなく、政策的な意見の相違を理由に、国内企業に対してサプライチェーンセキュリティの指定を武器化できるかどうかについての初の主要な裁判である。この裁判所の答えは、明確に「いいえ」である。
AI企業が自社のモデルに使用制限を課したい場合、今や法的な裏付けが得られるようになった。政府はあなたの製品を購入しないことを選択できるが、好まない条件を持っていることを理由にあなたをブラックリストに載せることはできない。
